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明け方、頭がガンガンと響く痛みで目が覚めた。

結局俺は、夢から逃れることはできなかった。
なんだよ。どーすりゃいいんだよ。
もうたくさんなんだよ。
あの女の顔は見たくない。
類といっしょのとこも見たくない。

起き上がりミネラルウォーターを一気に飲み干してシャワーを浴びた。
迎えは10時つったか。
まだ5時だ。
はあ、本当ならゆっくり寝ていてぇのに、寝ることこそが疲労の原因とはな

その時、俺は閃いた。
そうだ、夢のシナリオを考えよう。
そしてその通りに夢を見ればいい。

俺はもうあの2人を見たくない。
そうだ!当時、親父から再三NYに来るように言われてなかったか?
だったらNYに行っちまえばいい。
そうしよう。

夢対策を練った俺は、そそくさとベッドへ入ってもう一度眠りについた。




***




邸に戻った俺に知らされたのは、類と女が同じベッドルームに入ってること。
おいおい、なんだこの設定は。
俺はマゾか!?
ここまでテッテー的に自分をいじめ抜かなくていいだろうよ。
何が悲しくて好きな女が他の男とヤってる同じ屋根の下にいなきゃいけねぇんだよ!

女が類に抱かれたかと思うと、もう耐えられねぇ。
さっき考えたシナリオを遂行するんだ!


「ねーちゃん、俺はニューヨークに行くよ。」


女に泣いて殴られた。
どうしてだ?
お前も俺がいなくなってうれしいだろ?
なんで泣くんだよ。

ちゃんと決着をつけないままに、
「俺は今日からニューヨーカーだ!」
・・・ってなるはずだった。
類に打ち明けられるまでは。

女はまだ類のものになってなかった。
そうとわかればNYに用はない。
でも収穫があった。
女の周りをうろつき始めた、別の男の正体を掴んだぞ!

結局俺は、女から離れることはできなかった。
それどころか、女を諦めることを諦めていた。

あー、途中まではシナリオ通りだったのになぁ。




***




もうお約束になりつつある予想外の展開。
目を覚ました俺は、そんなことを考えながら、自分の試みが失敗終わったことにため息をついた。

女から離れられない。
それどころか、新たな敵が現れた。

天草清之介

名前くらいは知ってる。
確か代議士・天草虎之介の長男で、跡は弟に任せて寿司職人になっていたんじゃなかったか。
会ったことはないはずだ。
なのに鮮明に夢に出てきて、会話までしてる。

それとも天草のパーティーかなんかで会ったことがあったか?
なんせ政界と財界は切っても切れない縁だ。
ましてや天草家といえば道明寺とも肩を並べる家柄。
どっかで会ったことがあっても不思議じゃない。

そう思いながらも、今の記憶にはない人間が、突然に女に関わる男として登場したことに戸惑いを感じていた。









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2020.10.17
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