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【第一話祭り】その2








道明寺と結婚して4年。
『道明寺』 は 『司』 になり、『牧野』 は 『つくし』 になった。

4年の間には子供も生まれた。
女の子で名前は梨咲。
リサって読むの。
可愛い盛りの3歳。
ってか、きっと一生、可愛い盛りよね。

そんなあたしは順調に「奥様」ってヤツをやっている。
と、自分では思ってる。
だけど、こうして司の書斎を奥様自ら掃除してる姿は周囲から見ればまだまだ庶民なんだろうな。

でもでも聞いて!
書斎は機密を扱うこともあるから、信頼できる人間しか入れないことになっていて、その信頼できる人間の最高位はあたしだ。
だからあたしが掃除する。
これ、間違ってないでしょ?
そりゃ、使用人さんたちが信頼できないって言ってんじゃないのよ?
信頼してるよ?
だけど、司がそう言うんだから仕方ないよ。

と言うわけで今日も今日とて楽しいお掃除。


「ふんふふん〜♪」


特別に汚れるわけでも散らかるわけでもないけど、この部屋は司の香りが仄かにして、あたしの好きな部屋のひとつ。
この大きくて重厚な椅子に腰掛けて、この大きなデスクでパソコンを真面目な顔で睨んでる姿がちょっとカッコイイな、なんて…

そんなことを思いながらチェアを引き出して、足元の絨毯に掃除機をかける。
デスクが大きいから屈み込まないと奥まで届かないのよね。

あたしは腰を折ってデスクの下に入ろうとした。
その時、


ガターン!

ゴッ!!


「ギャッ!!」


ドサッ!

ドンッ!


あたしは何かに顔面を強打して仰け反り、後ろのチェアに仰向けに倒れた。
そしたらそのチェアが私の勢いで動いて背後の書棚にぶつかった。


「イッターーー!!…なによ!?」


強打の原因はデスクの引き出しだった。
顔を上げると引き出しが飛び出していた。


「???司、引き出しも閉めずに出勤したの?」


いや、待て。
さっきは開いてなかったよね?
ってか、その引き出しは常に鍵がかかってて、あたしにも明かせない道明寺の最高機密を保管してあるって言ってた。
あたしが知ることで命が狙われるかもしれないとかなんとか。

そんな大切な引き出しが開いた!?

ん?
開いた?
勝手に??

????

あたしはぶつけた額をさすりながら、混乱状態で引き出しを見つめていた。
そうしたら、さらにあたしを混乱させる事態が起きた。

引き出しから白いお団子が現れたのだ。


「ヒッ!」


でもお団子だと思われたその先には青い腕が付いていて、そしてそのさらに先には同じく青くて大きな頭が付いていた。


「あっ、あなた、ド、ドラえ、」

「しーー!!」

「へっ!?」


最近、梨咲と一緒に見始めたアニメのキャラクターが、いきなり実写で現れた。
想像よりデカッ…
って、感想は置いといて、なに?これ?
机の引き出しが突然開いて、そしてコレが現れたってことは……
のび太くんはどこっ!?

そんなあたしの戸惑いは置き去りにされて、ソレは引き出しからその全容を現し、絨毯に着地して、そしてあの笑顔を見せた。


「こんにちは! 僕、ドカえもん!!」


 • • •


いま、なんつった?
ドカえもん??
ドラ、じゃなくて?


「あのー、ドラ、」

「あーー!!!」

「えっ!?」

「君はもしかしてつくしちゃんじゃなぁーい?」

「な、なんで知って、」

「はじめまして!僕、ドカえもんです!!」


 • • •


どうしてもそれで推したいわけね。
なんだかわかんないけど、とりあえずノッてみるか。


「う、うん、ドカえもん、はじめまして。あたしは道明寺つくしです。で、えーと、どこから来たのかな?」


小首を傾げて見せたあたしは絨毯に座り込んだまま、えへっと笑ってみせた。
するとドカえもんもニカッと笑った。


「僕は200年後の世界から、タイムマシンに乗ってきました。」

「200年後!? タイムマシン!??」


あたしはスックと立ち上がり、開いたままになっている、ドカえもんが出てきた引き出しを覗き込んだ。
そこにはオーロラたなびく宇宙空間?にユラユラと乗り物が浮かんでいた。

・・・・マジだ。
これって四次元空間??
そしてあれはTVで見たタイムマシンだ。
ただの板に操作機器が設置してあって、見るたびに「よく落っこちないなー」と思っていたアレだ。

あたしはブリキのおもちゃのようにゴギギとドカえもんを振り向いた。


「マジ…?」

「マジ!」

「あはは…」


マジかいっ!
夢とかじゃないの?
夢だよね?
そうだよ、夢だよ。
司に二人目が欲しいね〜なんて漏らしたもんだから、昨夜は夜更かしさせられた。
回数こなせばできるってもんじゃないっての!
あー、そうか。
だからあたしは掃除の途中で寝落ちしたんだ。
毛足の長いふかふか絨毯の上で掃除機を枕代わりにして眠っちゃったんだ。


 • • •


って、ンなわけあるかーーい!!

目を擦り、頬をつねっても目の前の青い物体は消えない。


「本物……?」

「疑り深いなぁ。司くんはすぐに信じてくれたけどなぁ。」

「司!? 司に会ったことあるの!?」

「あるよ! 5年くらい前だったかな? つくしちゃんと別れる未来を変えたんだ。」

「あたしと…別れる未来?」

「そう。5年前の時点では二人は別れることになってたんだ。それを僕と司くんとツグムくんで変えたんだよ?」


……何の話をしてるの?
あたしと司が別れる未来?


「えーと…つまり、5年前、ドカえもんが来てくれなかったらあたしたちは別れてたの?」

「うん、そう。司くんもつくしちゃんも別の人と結婚してね。」

「べっ、別の人!? だ、誰!?」

「司くんの奥さんはブラジルの大統領の女で、つくしちゃんは西田さん。」


あたしはもう顎がガクーンと落ちて、ついでに目ん玉も落っこちそうになってたと思う。
あ、あ、あたしが、に、西田さんと、結婚!??
待って、西田さんて……


「西田さんて、司の秘書の西田、」

「あー、えっと、利彦さん、でしたよね?」


ガ〜〜ン

マジで…?
あの西田さんとあたしが結婚?
何歳差なわけ?
そしてなぜ?
結婚てことはキ…
ギャーー!!
考えたくない!!

あたしは頭を抱えてひとりで悶絶していた。
そんなあたしの肩に白いお団子…もとい、ドカえもんの手が乗った。


「つくしちゃん、歴史は変わったんだよ? 今は幸せ?」


ハッ


そうだった。
今のあたしは司と結婚して、道明寺つくしになってて
可愛い子供も授かってる。
あたしは落ち着きを取り戻した。


「うん、幸せだよ。」


あたしの言葉にドカえもんはニカっと笑ってくれた。









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2019.05.02
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| 2020.04.25(Sat) 11:55:54 | | EDIT

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| 2020.04.25(Sat) 13:49:19 | | EDIT

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| 2020.04.27(Mon) 07:36:41 | | EDIT

Re: タイトルなし

みー 様

コメント、ありがとうございます!
ドカえもんは道具を考えるのに地味に苦労するんですよね。
でも今の状況で楽しくなれるお話になると思います。
でも私自身は・・・・孤独を愛する自分勝手な人間かも!?

nona | 2020.04.28(Tue) 00:46:49 | URL | EDIT

Re: タイトルなし

スリーシスターズ 様

コメント、ありがとうございます!
ドカえもんは確かに、今の世情で皆様に笑いと癒しをお届けできる作品だと思います。
ただ、人気の司の出番が少なくて、それで票がイマイチ伸びないかな?と踏んでます。
いつかは必ず書きたいと思います^^

nona | 2020.04.28(Tue) 01:20:10 | URL | EDIT

Re: 悩みますー

ティ 様

コメント、ありがとうございます!
「ドカえもん」が案外人気でちょっと驚いてます。
でも確かに、今の鬱々とした気分を晴らしてくれるような明るさはあります。
順番がどうなっても、必ず世に送り出そうと思ってますので、楽しみにしていてください。

nona | 2020.04.28(Tue) 01:56:27 | URL | EDIT