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「真島、今日の予定はキャンセルだ。」
「はい。椿さまからも撮影の日には他の予定は入れないように仰せつかっております。」
「姉ちゃんが?そうか。」

わかってるよな。俺が牧野と会ってどうするか。
逃すわけねぇよ。



着替えを済ませた司が真島とともに控え室から出てきた。
そこではエマが今撮影したばかりのデータをスタッフと見比べている。

『これ、それから、これも。あとは、こっちもいいわね。』

その後ろ姿を司はじっと見つめた。


体にフィットしたカットソーにスキニー。
細く長い手足、華奢な肩、両手に収まりそうな腰、9年前よりメリハリのついたボディ。
そして男を誘う白いうなじ。

これがあの牧野か。
あれから9年。26のはずだ。


その時、エマがパッと振り向いて司と目が合った。

『Mr.道明寺。嫌がってた割にはイイ仕事してくれたわ。ほんと、あなたみたいな美しい男には初めて会ったけど、実物は迫力が違うわね。今日はありがとう。Miss山神はもう帰ったから安心して。』

そう言うと、ニコッと笑い、またデータに戻った。

『ツカサだ。』
『え?』

エマがもう一度振り向いた。

『俺はツカサだ。エマ』

それを聞いたエマは今度はニヤリと笑い、

『オーケイ、ツカサ。これで友達ってわけね。いいじゃない、アッパークラスの友達なんて。じゃ、早速飲みに行く?』
『いいぞ。』

その言葉にエマは髪に刺したボールペンを抜いた。
ウェーブのかかった黒い長い髪がファサッと肩に落ちた。
スタジオの隅に掛けてあった自分のジャケットを着ると、バッグを持って歩き出した。

『エマ!この後はどうするのよ!?』

スタッフが叫んでいる。

『ごめーん。こんなイイ男と飲める機会なんてそうそうないわ。あとはよろしく〜。さっきの写真をリリーに送信しといて。』
『もう!』




2人はリムジンに乗り込んだ。
真島は助手席だ。
パーテーションを閉める。

『仕事、よかったのか?』
『ああ、いつもああだから。良い写真は選んだしあとは任せておけば大丈夫。優秀なスタッフだもの。』
『17時か。早いがディナーといくか。』
『まさかグランド・メープルなんて言わないわよね?私の格好で楽しめるところにしてよ。』

そう言うと、エマは両手を広げて服装を見せた。

『フッ、大丈夫だ。いいとこを知ってる。』



リムジンはミッドタウンの日本料理店に入っていった。







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2018.11.01
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