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キャンプ最終日。
今日も朝5時に起床し、朝飯前に10キロのランニングをこなし、朝食を食べ、室内運動で腕立て、腹筋
背筋、スクワットをこなした。
始まる前にはプクプクしていた長坂澪も、さすがのメニューにこの1週間で見るからに痩せていた。


「よぉし! 集合!」


教官の声かけで、荒い息を治めて整列する。
整列すればすぐさま点呼だ。
14名が揃っていることを報告する。


「本日は最終日だ。明日には家に帰れるぞ。」


ワッと14名に笑みがあふれた。


「だから今日は仕上げだ。皆、これを背負え!」


教官の前に並べられた迷彩柄のリュックは何かが詰め込まれていてちょっとの力では持ち上がらない。


「これ、何キロあるんですか?」

「10キロだ。」

「10キロ!?」

「食糧、水、その他装備品が入ってる。これを背負って15キロ先のチェックポイントを往復してもらう。」


シーーン……


予想外のミッションに誰も口を利けない。


「各班がチームだ。リーダーを決めろ! なお、リーダーだからといって加点対象にはならないからそのつもりで選べ!」


各班が輪になって話し始めた。
つくしたちの班も輪になる。


「誰にしますかぁ? 年齢から言ったら津島さんか牧野さんですよねー。」


最年少の松永朋花が口火を切った。


「いや、あたしは、」

「あ、私は無理! 人をまとめるとかダルい事、無理。私に任せたら完遂できないと思う。」


つくしが断ろうとした瞬間、津島陽子が割って入った。
ショートカットのヘアスタイルに背が高く痩身なルックスは20名の候補者の中で迷彩服の出で立ちが一番似合っていたが、それが一匹オオカミという雰囲気を感じさせていて、確かにチームリーダー向きには見えなかった。


「じゃ、牧ちゃんね!」

「そんな、澪さんこそ適任だと思うけど、」

「あたしはダメ。いつものメニューだって皆んなに迷惑かけながらやっとこなしてんだもん。誰があたしについてくるって言うのよ。牧ちゃんしかいないよ!」


太り気味で運動不足だった長坂澪はいつもメニューをこなすのが班で一番遅かった。
班全員が終わるまで休憩は許されず、直立不動で待たなければならなかった。


「でも、私だってそんな力ないよ。」

「大丈夫! 牧野さんならできる! すっごいポテンシャル感じるし。それに早く決めないと減点されるかも。」


江藤の声に周囲を見れば他の班は続々と教官に報告に行っている。


「んん〜…わかった! よし、やる!」

「やったー! 牧ちゃん、ありがとう〜」


こうしてつくしがリーダーになった。








「出発! 進め!」


ザッ…ザッ…ザッ…


チェックポイントは山頂にある。
山を登って降りてくる行程だ。
山といっても小高い丘程度だったが、しかし道は獣道だった。
10分ごとに各班が出発し、帰着タイムでポイントが加算されることになっていた。

つくしたちの班も出発し、一列になって進んでいた。
背負う10キロの荷物も重かったが、履いている安全靴も、頭に被っている迷彩柄のヘルメットも重かった。
朝からメニューをこなした体は早くも悲鳴を上げ始め、3キロの標識で休憩を取ることになった。


「ハァ…ハァ…これ、班から脱落者が出たらどうなるんだろう…」


長坂はヘルメットを外し、顔の汗を拭った。


「もしかして、連帯責任で班全員失格とか?」


リュックから水を取り出しながら江藤が答えた。


「あー、もうそれでもいいです。長坂さん、リタイアするなら早めにお願いします。」


松永朋花はこんな状況でもポケットから手鏡を出して
前髪を気にしている。


「ちょっと! 失格なんて困るのよ! 私はプロジェクトに参加したいの! 道明寺100年の計は私が成功させるんだから!」


仕事に燃える津島が吠えた。


「大丈夫、リタイアなんてさせないから。班で行動するのはきっと助け合うためよ。タイムのことは気にしないで、とにかくみんなで帰ることだけ考えよう! ね?」


リュックを下ろしたつくしが立ち上がってみんなに呼びかけた。


「ほあ〜、やっぱ牧ちゃんにリーダー任せて正解だったね。」


長坂澪がリュックにもたれながらつくしを見上げた。





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「ん…ふ……ぅ…」


司に被さられたつくしは、先程から自分の口内を蹂躙する舌に生気を吸われるかのごとく徐々に力が抜けていくのを感じていた。

今日、初めて会った人と結婚して、その人にこんな濃厚なキスをされるって、あたしの人生はどこでどう間違ってこんなレールに乗っちゃたんだろう。
でも…ハンサムはキスまで上手いのか…気持ちいい…

こわばっていたつくしの体が緩んだのを感じ、チュと音を立てて司は唇を離した。


「美味い…」


司はまた呟いた。

この人は何がそんなに美味しいんだろう…

ぼーっとする頭でそんなことを考えていた次の瞬間、つくしの体はまた一瞬にしてこわばった。
腰紐を抜いた寝衣の合わせを開き、その下には何も身につけていなかったつくしの身体を司が見下ろしていたからだ。


「あのっ」


隠そうとして衣を引くもそれを掴む司の手はピクリとも動かない。
なおも司に見入られて、つくしの身体は羞恥で急激に朱に染まっていった。


「マジか…」

「やだ…見ないで…」


こんなに綺麗な男性に全身を覗き込まれ、隅々まで這わされる視線に耐えられるほどの肉体も自信も持っていない。
顔を見て落胆され、身体を見て落胆され、もう救いようがない居た堪れなさにつくしはベッドに横顔を押し付けるように顔を背けた。

そんなつくしの寝衣を開いていた司の片手がつくしの胸を捉えた。
熱く大きな手がつくしの乳房を強く掴んだ。


「痛っ!」


つくしが声を上げると手は緩んだ。


「すまん…柔らかすぎて力加減がわからない…これが女の身体か…」


そう言うと、宥めるように額、頬、首筋とキスが落とされ、今度は壊れ物を扱うように司の手が優しくつくしの胸を包んだ。
しかしつくしは先程の司の言葉に気を取られていた。

ちょっと待って。
力加減がわからないって…もしかして、この人も初めてなの?
え、だって26だよね?
まさか…だよね?


「あの、旦那様…」

「なんだ。」


司はつくしの首筋から顔を上げた。
つくしはその近さに直視できずに目を泳がせた。


「あの、つかぬことをお伺いしますが、旦那様も、その、こういうこと初めてですか?」

「? 当たり前だろ。今日、お前と結婚して、今夜が初夜なんだから。俺は初婚だぞ。」


なんでそんな当然のことを聞くんだと言わんばかりの司の表情に、つくしは返事ができなかった。

待て待て待て!
だって26だよ!?
いや、そりゃあたしだって人のことは言えないけど、でも男は女と違うでしょ?
しかもこんなに整った人。
相手なら選び放題だったんじゃないの?!
弟の進でさえ10代で脱・童貞してた…気がする…
なのに!

…なに?
もしかして初夜まで童貞でいなきゃいけないってシキタリとか?
き、厳しぃ〜〜


「お前だってそうだろ?」

「えっ、あ、はい! はいはいはい! そうです! 初めてです!」

「だろ? 当たり前のことを聞くな。」

「すみませんでした…」


話が終わると司はまたつくしの身体にもどった。









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2020.02.07
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| 2020.02.07(Fri) 17:34:25 | | EDIT

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| 2020.02.07(Fri) 22:29:24 | | EDIT

Re: タイトルなし

つくしんぼ 様

コメント、ありがとうございます!
そうなんです、今回、シキタリという名の制約がいろいろあるんです。
そこも読みどころになってればいいなーと思います。

あ、その辺はあんまり深くは考えてません。
とにかく2人のピュアなジレジレをお届けします。

nona | 2020.02.08(Sat) 22:55:45 | URL | EDIT

Re: タイトルなし

Christy 様

コメント、ありがとうございます!
出来る限り他の方と被らないようにと思って、お話を妄想しています。
そして皆様が読んだことのない司ってのも目指してるところなので、今回がそうなっていて楽しんでいただけるか不安だったんです。でも面白いと言っていただけて少し安心しました。
今はまだ大人しいだけの司ですが、やっぱり司は司なので大丈夫です!
まだ序盤。これからもよろしくおねがいしまーす!

nona | 2020.02.08(Sat) 23:01:18 | URL | EDIT