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つくしちゃん、お誕生日おめでとう!
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   思いつきの超短編です。
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俺は今、全速力で走っている。


「ハァ、ハァ、ハァ、」


大通りを抜け、商店街を通り過ぎ、住宅街を駆けて駆けて駆けて。
ただ一人、この想いを伝えたい女の下へ、走っている。


「…バカヤロウ…ハァ、ハァ、あと4分しかねぇじゃん。」


信号で捕まり、スラックスの膝に手をついて休みながら腕の時計を確認すると、23時56分。

待ってろよ。
いや、待ってなくても待ってろよ。

車道の信号が黄色になった。
3、2、1、GO!

俺はまた走る。
タキシードを着てるから走りにくいことこの上ない。
だが、俺様をこれだけ走らせる女は俺にとっちゃそれだけの価値がある。

見えてきた。
青い屋根の、ボロい階段の、うっすい壁のアパート。
俺がNYに発つ前から住んでる部屋。

残り時間はあと1分てとこか。


「ハァッ、ハァッ、ハァッ、」


カンカンカンッ


チッ
1階に住んでろよ!


ドンドンドンッ


「牧野! 俺だ! 開けろ!!」


ガチャッ


「道明寺!? な、なんでっ??」


出てきたところを抱きしめた瞬間、部屋の壁に掛かった時計の針が0時を指し、俺は一番乗りに間に合った。


「ハァッ、ハァッ、牧野っ、二十歳の誕生日、おめでとうっ。」

「えっ! あ、ありがとう…そのために?」


少し離して顔を見下ろした。
嬉しいと驚いたの入り混じった牧野の顔は、1年前に会った時よりも女の顔になっていた。


「ったりめーだろ。プレゼント渡したかったから。」

「そんな、無理しなくてよかったのに…」

「好きな女の誕生日にする無理なら毎年大歓迎だ。」

「毎年なんていいから。」

「そう言うな。牧野、俺からのプレゼント、受け取ってくれるな?」

「あの、うん、あんまり高価じゃなかったら…」

「安心しろ。高価じゃない。そもそも値段なんてつかない。非売品だ。」

「ひっ、非売品!?」


俺はポケットからボウタイを出し、着ているウイングカラーシャツの首に巻き付け、蝶の形に結んだ。


「タキシード!? なんかパーティーだったの?ってか、帰国してたの??」


質問ばかりの牧野にニヤリと笑って見せた。


「タキシードを着てんのはな、牧野、お前に相応しいプレゼントを選びに選んだ結果、これしかねぇって結論に達したからだ。受け取ってくれ。」


俺はバッと両腕を広げ、それからまた牧野を抱きしめた。


「お前に俺をやる。俺の心も体も人生も。全部やる。愛してる。」

「…………は?」

「と言っても、俺の心がお前のものだってことはもう何年も前からわかってるだろ? だから今夜は俺の体をお前のもんにしてくれ。」

「…いやいや、意味がわかんないから。って、ちょっと!!?」


牧野を抱き上げ、部屋に入り、3歩で居間を横切り、5歩目でベッドに辿り着いた。
牧野をベッドに寝かせ、被さった。


「さあ、遠慮はいらねぇ。包みを開けろ。」

「つ、包みって、バカっ!」


ジェットの中で隅々まで洗ってタキシードで梱包したんだぞ?
仕上げにリボンもかけたじゃねぇか。
包装紙を残しておくお前は一枚ずつ丁寧に剥ぐか?
それとも勢い良くビリビリに破くか?

どっちでもいい。
どっちでもお前の好きにしていいから、早く開けてくれ。
開けて、そして俺をお前のオトコにしてくれよ。


「俺が開けてやろうか? ついでにお前も。」


牧野の瞳を覗き込めば、そこに17のこいつにあった恐怖はもうない。



一生一度の今日の日を、一生一度の思い出で飾ろう。

Happy Birthday 牧野!

   And I love you , forever.








Present For Tsukushi 〜 2019.12.28 〜【完】






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2019.12.27
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| 2019.12.28(Sat) 00:53:11 | | EDIT

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| 2019.12.28(Sat) 07:16:17 | | EDIT

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| 2019.12.28(Sat) 10:06:52 | | EDIT

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| 2019.12.28(Sat) 10:18:42 | | EDIT

すごい素敵な短編!!

坊っちゃん!
つくしへの誕プレじゃなく、自分へのプレゼントじゃねっ??

本当に素敵な素敵な短編ですね!!
なんで走ってるのぉ?何が起こるのぉ?からの、そーいうオチなのか!!
キレイにオチました!!
素晴らしいお話、とてもいいお話ですね!

カオカオ | 2019.12.28(Sat) 11:54:02 | URL | EDIT

Re: タイトルなし

つくしんぼ 様

コメント、ありがとうございます!
ザ・司!って感じが出てましたか?
嬉しいです^^

今年もいろいろとお世話になりました。
来年もよろしくお願いします!

nona | 2019.12.29(Sun) 22:26:52 | URL | EDIT

Re: タイトルなし

ふじ 様

コメント、ありがとうございます!!
いちいち予告するのも押し付けがましいかなぁ・・と思い、いきなりアップしました。
いきなり司がとにかく走ってるイメージが浮かびまして、じゃあなんで走ってるんだろう??って思ったら、あ、そうだ、もうすぐつくしの誕生日じゃん!ってことになりました。
そうそう!ほんともう司は自分勝手でしょ?1階に住んだら住んだで「セキュリティーがっ!」とか言うくせにね^^
でもそこがまた可愛いんですよねぇ。

ふじ様にはいつも深く掘り下げていただいて、コメントで私自身が気づかされることも多いです。
1年が早いですが、来年も作品をお届けできるように頑張ります!
良いお年をお迎えください。

nona | 2019.12.29(Sun) 22:32:49 | URL | EDIT

Re: タイトルなし

ふぁいてぃ〜んママ 様

コメント、ありがとうございます!
よく、つくしの方が桜子とかにラッピングされて司に差し出される話を読んだことがあったので、逆があってもいいかな、と。
でもその場合、きっと司自ら差し出すだろうな〜(笑)と思ってこの話になりました。

後日談・・・あるかも?

汗!思ったぁ!!
走る予定じゃなかったんでしょうね。
きっとギリギリに着いて渋滞にハマって降りて走ったとかでしょうね(笑)
司ならコートだけでもいい男になれそう!

今年もお世話になりました。
良いお年をお迎えください!

nona | 2019.12.29(Sun) 22:48:35 | URL | EDIT

Re: タイトルなし

うかちゃん 様

コメント、ありがとうございます!
5年が待てなさすぎて、自分をプレゼントにしてしまうという坊っちゃんの苦肉の策!?(笑)
獣になれたかどうかはつくし次第ですよねぇ。

私ももし坊っちゃんが来てくれたら・・・とりあえず小一時間眺めて過ごすかも。。。

nona | 2019.12.29(Sun) 22:51:02 | URL | EDIT

Re: すごい素敵な短編!!

カオカオ 様

コメント、ありがとうございます!
そうそう!つくしを喜ばせるというより、自分が楽しいことを考えちゃったって感じですね(笑)

気に入っていただけて良かったです。
本当にいきなり降ってきた話で、そもそも私はこういう短い話がなかなか書けないので今回はいい経験になりました。
坊っちゃんの誕生日にはこれの対になる話を書きたいなぁ。

nona | 2019.12.29(Sun) 22:54:18 | URL | EDIT