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NYからトンボ返りの機内で通路を挟んで豪華な座席に座る道明寺は、上機嫌でたくさんのパンフレットを見比べてる。


「なにそれ?」

「これか? お前と迎える初夜をどこにするか考えてんだ。どこがいい?」

「初夜!? どこでって、普通はホテルとか家とかじゃないの??」

「言っただろ? 清らかなお前に最高の初夜を迎えさせるって。ここなんてどうだ? ギリシャのサントリーニ島。建物が全部白壁で統一されて、すっげぇ綺麗な島だぞ。夕暮れ時なんて最高だ。」

「ホントだ! 綺麗だね。」

「こっちはどうだ? 女ってあのなんとかランドが好きなんだろ? シンデレラ城のモデルになったドイツの古城だ。買い取るか?」

「えっ、いや、」

「それともここはどうだ? ペルーのマチュピチュだ。世界遺産で天空都市と呼ばれてる。天国に一番近い場所だ。ここに別荘建てるか。」

「ちょっと! 落ち着いて!」

「なんだよ。気に入らないか? どっか希望があるのか?」

「そういうことじゃなくて、そんな大袈裟にしなくていいから。」

「大袈裟なんかじゃねぇ。お前という最高の女を初めて抱くんだから、最高の場所じゃないと。」

「バッ、バカッ!」


はぁぁぁ〜〜、こいつ、こういう臆面もないとこ全然変わらないな。
ってか、バカがパワーアップしてない?
そもそも初夜とか清らかって発言の連発、この前から恥ずかしすぎだし。
あーあ、西田さんの眼鏡の奥の目が冷ややかだよ。


「海外なんて行けるわけないでしょ。大学があるし、仕事だって休めないし。」

「大学のことは解決済みです。DVDが届きます。」


西田さん、そういうことじゃないのよ!


「仕事は辞めろ。ってか、俺はもうあそこには住まない。帰国したらお前と邸に住むからな。」

「えっ! あそこには帰らないの? なんで?」

「なんでって…」


道明寺が顔を背けて言い淀んでる。
どした?


「お前だって嫌だろうが…」

「え? あたし?」

「つまり、その…」

「橘様が先程、社長に宣言なさいました。道明寺家の嫁として切磋琢磨なさる、と。これから橘様には様々なレッスンが待っております。そのためには邸に住む必要があります。それに邸の管理も奥様のお務めになってまいりますので、現在のお仕事は続けられなくなるかと存じます。」

「そういうことですか…」


確かに宣言した。
やるからには中途半端は嫌だ。
そっか仕事辞めなきゃいけないか。
結構好きだったんだけどね。


「わかりました。そういうことなら帰国したら手続きします。」


派遣先の家主と結婚するから辞めます。なんて、本当はダメだよね。
所長、なんて思うかな。

なんだかホッとしたような道明寺がまた畳み掛けてきた。


「そうとなったら海外でも大丈夫だろ? どこがいい? それとも初夜の記念にどっかのリゾートごと島でも買うか?」


初夜初夜うるさいっ!
こいつの脳内にはヤバい物質が流れ出てるに違いない。
これ以上、放っておいたら星でも買いかねないわ。


「あのさ、じゃあさ、あたしはそのサントリーニ島がいいな。その景色を実際に見てみたいし。」

「そうか! わかった! 西田、サントリーニだ。」

「かしこまりました。次にまとまったオフが取れるのは3ヶ月後ですので、楽しみにお待ちください。」


・・・青筋立ってるよ。


「3ヶ月後?」

「はい。サントリーニに一泊するための日数は最低でも4日は必要です。今回、NYの往復でオフを使いましたので、次にそれだけのオフが取れるのは3ヶ月後です。」


だーかーらぁ、普通に考えればわかるでしょ。


「そっか。じゃ、結婚も3ヶ月後ってことで。とりあえず、ハウスキーパー続ければいい?」


道明寺は立ち上がり、あたしの前に立ってとっても申し訳なさそうな顔をして肩を掴んだ。


「牧野、悪いな。お前の希望は叶えてやりたいが、サントリーニ島は遠すぎる。新婚旅行で行こう。な?」


つまり、初夜を先延ばししたくないわけね。


「はいはい。いいよ。」

「西田っ」

「はい。」

「明日はオフだよな?」

「はい。明日までなんとか確保いたしました。」

「よし! 婚姻届は明日の朝一番で提出するぞ!」


なぜかガッツポーズで目を輝かせる道明寺。

そんなにシたいのか・・・

はぁぁぁ〜〜、なんかもう、初夜の扱いが雑。
もっと秘めた感じで、恥じらって、初々しいものじゃないの?
てか、待って。
このままいけば明日、あたしは経験するわけ? こいつと!?
やばい、ちゃんと考えてなかった。
待て待て待て!
心の準備が全然できてない!
交際期間、もっとほしいんですけどっ


「あのさ、その、今更かもしれないけどさ、もっとちゃんと付き合わない?」

「付き合う?」

「普通の男女交際っていうか、恋人期間ていうか。」


自分で言ってて赤面してきた。
道明寺と恋人とか、うわぁ、マジか・・・


「いらねぇ。」

「なんでよ? ウキウキした楽しい期間でしょ? そういうのも必要なんじゃない?」


あたしには必要なのよ!


「いらねぇ。結婚してもウキウキしてりゃいいだろ。デートもすればいいし。結婚した方が自由に行動できる。」

「そりゃあんたはそうでしょうけど。」


もう一度あたしの肩を掴んだ道明寺が、ズイッと顔を近づけてきた。
あら、お綺麗なお顔ですこと。


「逃がさねぇ。お前はすぐに逃げようとするから、猶予はやらない。提出は明日の朝一だ。ババアにも啖呵切ったのはお前だ。観念しろ。」


反論できないあたしはただゴクリと喉を鳴らすしかなかった。









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2019.03.22
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| 2019.03.22(Fri) 17:14:23 | | EDIT

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| 2019.03.22(Fri) 18:47:02 | | EDIT

ナイスフォロー!

どん感つくしちゃん、さすがにあとでよく考えたら気がついてキズつくところでした。
有能秘書西田さんの機転よ!ナイスフォロー!

カオカオ | 2019.03.22(Fri) 21:31:40 | URL | EDIT

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| 2019.03.23(Sat) 04:26:15 | | EDIT

Re: タイトルなし

つくしんぼ 様

コメント、ありがとうございます!
西田はなんでもわかってるww
坊ちゃんのフィーバーの収め方も、つくしの性格も・・・

リンク、ありがとうございます!
これからもよろしくおねがいします^^

nona | 2019.03.23(Sat) 09:06:56 | URL | EDIT

Re: うわぁ凄い

ふじ 様

コメント、ありがとうございます!
超箱入り息子の坊ちゃんは、西田は空気みたいに思ってますよね^^;
つくしに恥ずかしいと言わせる発想が私になかったです。
初夜より清らかの方が恥ずかしいからかな?
ってか、このタイトル自体がもうね、ってシロモノでww
14話の予定です^^

nona | 2019.03.23(Sat) 09:12:42 | URL | EDIT

Re: ナイスフォロー!

カオカオ 様

コメント、ありがとうございます!
そうなんですよぉ、つくしは相変わらずどこまでも鈍感です。
気付かないうちに西田さんのフォローが入ってよかったです^^

nona | 2019.03.23(Sat) 09:13:44 | URL | EDIT

Re: タイトルなし

Megumi 様

コメント、ありがとうございます!
坊ちゃんの頭の中はもうそのことしかない状態ですww
ロマンチックな坊ちゃんはどこ行ったんですかね〜
分岐の時点ではまだまだ成長してなかったってことかも。
つくしの漁村からの8年を想像したらそうなりました^^;
なんせ鈍感ですし、本当は司のことが好きだったので他の男が目に入らなかったのかも。

nona | 2019.03.23(Sat) 09:18:59 | URL | EDIT