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皆様、こんばんは。
かなりご無沙汰しています。
その間に梅雨が来て、今、こちらは中休みなのか晴れて暑い日が続いています。
皆様はお元気にしていらっしゃいますか?

世の中、コロナの第一波がようやく落ち着きましたが、新様式での生活にはまだまだ慣れない日々ですね。
マスクはどこまで着用していればいいのか、密集ってどの程度?これは許されるの?換気すると暑いなぁ・・・
などなど、戸惑う場面は枚挙に暇がありません。
それでも皆さんが協力して、なんとか活動している現状です。


そんな中、我がブログだけが未だ足踏み状態です。
お待たせして本当に申し訳ありません。

これでも書いてます。
書いてますが、完結にはまだまだ遠いです。

いつものごとく、司とつくしの思考回路がごちゃごちゃに絡まって、私の中で撚り糸をいっぽんいっぽん解いているといった状態です。
とにかくまずは思いつくままに書くのですが、読み返すと前後と矛盾していたり。
はぁ・・・疲れた。

その間、浮かんできた別の妄想を書き留めますが、その書くという作業に飽きてきてたり。
書きたいネタはたくさんあるけど、全部書き終わるころには寿命がくるんじゃないかってくらいに時間がかかりそうです。

ただ、7月中には再開して「夫婦恋愛」は完結させて、早く次の話が書きたいです。



えー、つまり、何が言いたいかと申しますと、「連載の再開はまだ未定です」ってことです。
ごめんなさい(;д;)


それでは、とりあえず近況報告でした。
またお会いできる日まで、ご自愛ください。



                    nona










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2020.06.23




皆様、こんばんは。

先日は愚痴まがいの近況報告に拍手やコメントなど、たくさんの激励をくださりありがとうございました!
こんなにも待っていてくださる方が多いことに改めて気づき、書くことに前向きになっております。

そんな皆様からの元気玉をいただき、拙いながらも連載を再開することにしました。
まだ完結まで書けてないので、また止まるかもしれませんが、お届けできるところをちょこちょことお届けしていきたいと思います。

一話の長短は言うに及ばず、内容的にも不完全かもしれません。
誤字脱字を含めて、矛盾するようなところがあれば遠慮も容赦もなくご指摘ください。


では、取り急ぎ告知まで。

よろしくお願い致します。

     
              nona








2020.06.28




翌早朝、司はまだ眠るつくしとバスに浸かっていた。
その間に司に呼ばれた岡村がベッドメイクを済ませ、目覚めないつくしはバスローブのまま清潔なシーツに横たえられた。
司はもう少し休もうとつくしの横に滑り込み、力が抜けた柔らかな体を抱え込んで再び目を閉じた。

次に目を覚ましたのは、唇を何かがなぞる感覚が覚醒させたからだ。


「あ、ごめん。起こしちゃったね。」


起きて最初に目に映るのが愛しい妻の明るい瞳。
そんな日はきっと良い日になるに違いない。
司はクスッと笑むと妻に腕を回して抱きしめた。


「なんだ? キスで起こしてくれたのか?」

「キスして欲しいの?」

「して欲しい。」


チュッと唇が触れる。
それだけで幸福という名の甘い感情に支配される。
まるで愛が通じたかのような錯覚を起こすが、司はまだ愛を囁いてはいなかった。


「もしかしてお風呂に入れてくれた? シーツも換えてくれたとか?」

「風呂は入れた。シーツは岡村。」

「えっ!? 岡村さんを呼んでしてもらったの? 恥ずかしすぎ!」

「今更だろ。今までは島田がしてたんじゃん。」

「そうだけど、昨日、会ったばかり人なのに。」

「つくし、あいつらはわかってる。お前の声、デカかったからな。」

「!! もう! バカ!」


離れて起きようとするつくしを逃すまいと腕に力を入れた。


「なぁ、つくし、」

「なによ?」


腕の中からギロリと睨まれるがその顔も可愛くて笑いが漏れる。


「何笑ってんのよ!」

「いや、悪りぃ。可愛いなと思って。」

「なっ、なっ、」

「あ、赤くなった。」

「バカ!」


でも逃げられない彼女は顔を隠すのに司の胸にピッタリとくっついた。
そんなことをしたら司の肌に吐息が当たって、またその気になるとも知らずに。


「な、お前さ、俺に恋人がいたと思って拗ねてたのかよ。」

「え!?」

「だってここんとこ渡りを嫌がってたろ?」

「………」

「あの女どもに何言われた?」

「そのこと、なんでわかったの?」

「野村が調べてた。俺の質問に答えろ。」

「……華園さんは司の元恋人で、二人は結婚まで考えてたけど、華園さん側が司を婿養子に欲しがったからお母様が反対して引き裂かれたって。だから今でも二人は愛し合ってるんじゃないかって…。」


ギリッと奥歯が鳴った。

いかにも女が好きそうな陳腐な三文小説だ。
それをまことしやかにつくしに吹き込んだってわけか。


「でもそれは嘘だったというか、彼女たちの勘違いだったってこと…なんでしょ?」


そう言って上目遣いに司を見上げたつくしの瞳が不安げに揺れていることが司は嬉しかった。


「勘違いなんて可愛いもんじゃねぇよ。悪意のある嘘だ。つくし、いいか、俺の妻であるお前にはこれからも陥れようとする輩が寄ってくる。そんな奴らの言葉を信じるな。」

「でも、どれが嘘かなんてわかんないよ。」

「だから俺の言葉以外は信じなくていいんだよ。俺だけを信じろ。いいな?」

「…ん。わかった…からさ、司もあたしを信じて。」


つくしが伸び上がり、手を出して司のクルクルと巻いた髪を撫で、指で梳いた。
その心地よさに目を閉じ、そしてまた開いてシーツと司の腕に包まれたつくしを見つめた。


「藤村さんは友達だし、あの時は励ましてもらってただけ。だって、その、あたしは華園さんの身代わりなんじゃないかって思ってたから。」

「はぁ!?? ンなわけねぇってなんでわかんねぇんだよ!」

「なんでって、だって元恋人だったって信じてたし…でも、話はそういうことじゃなくて、つまり、あたしは司と結婚してるんだから、他の男性となんてありえないから。」


つくしの言い方に何か引っかかるものを感じながらも、真剣に訴えてくるその表情に司の心の奥底に最後まで残っていた根雪のような塊は溶けていった。


「だったら、俺にももっといろんな顔を見せてくれよ。」

「顔?」

「大笑いしたとことか、怒った顔とか、泣いた…顔は見たくねぇけど、もっと本当のお前が知りたい。」


するとつくしは花のように微笑んだ。


「わかった。頑張る。でも怒らせないでよ? 怒ったらあたし、怖いよ?」

「俺には敵わねぇだろ。」

「うっ…うん、怖かった。」

「悪かった。でも…」


『それはお前を愛してるからだ』という言葉が司の口から出る前に寝室にノックの音が響いた。


「旦那様、そろそろお目覚めください。」


声の主は森川だ。
もうそんな時間かと、ウォールクロックを見ると7時を過ぎたところだった。


「起きてる。今行く。」


名残惜しく、司はつくしに軽く口付けるとベッドを出た。


「お前は今日一日は休んでろ。念のため医者を手配しておく。」

「え、いいよ! もう大丈夫だから。」


司はベッドでシーツに包まるつくしに振り返り、その首にまだ痛々しく残る痣を撫でた。


「ダメだ。ちゃんと診てもらえ。安静にって言われてたのに、激しい運動しちまったしな。」

「なっ!! そっ、それはっ」

「我慢できなかったんだもんな。ククッ。」

「〜〜っ!! バカッ!」


つくしは真っ赤になってシーツを被った。


「森川がクローゼットに入ってくる。お前はそのまま隠れてろ。森川に素顔を見せるなよ。」


それはつくしにとっては冗談とも本気ともつかない言葉だったが、司にしてみれば本気だった。
素のままのつくしを他の男に__例えそれが全幅の信頼を寄せている森川だとしても__見られるのは許せなかった。

その後、身支度を整えた司はつくしに出勤のキスをして、迎えにきた菱沼と共にペントハウスを後にした。











リムジンで司の向かい側に座る菱沼は、目の前の上司が車が走り出してすぐに集中し始めた様子に、本来の調子を取り戻したと確信した。

PJの中で、社を出た後に何があったのか森川から聞いた時は、まさかこの副社長に限って、そんな些細なことで嫉妬の鬼に豹変してしまうとは信じられなかった。
実際、森川も驚いていた。
しかし、考えてみれば司が女に恋をしたのも愛したのも初めてのことで、誰も見たことがなかったのだ。
だから誰も、本人でさえ知らなかったのだ。
道明寺司という男が異常なほどの独占欲を有していたことを。
そのことを今回、初めて知った面々の中の『道明寺司・取扱説明書』には以下の文言が加筆された。


『 道明寺つくしに男を近づけてはならない 』


人ってわからないぁ


「副社長、今朝は絶好調のようですね。」


菱沼の声かけに、司はタブレットから目を上げ、ニヤリと口角を上げた。


「おう、仕事はさっさと片付けて帰るぞ!」

「ハハ…」


そんなにさっさと片付きませんけどね。
だって、このNY出張の日程自体、かなりタイトなスケジュールになってるんですから。

当初、つくしを連れてくる予定ではなかった今回の出張、司は早く帰国しようと本来は12日間だったところをリスケで2日詰めさせて10日間としていたのだ。
だからペントハウスは寝るために帰るだけの場所で、そこでゆっくり過ごすなど土台無理な話だった。

ハァ…それでも頑張っちゃうんだろうな。
恋のパワーってすごいよな。

などと思いながら、そこに巻き込まれて馬車馬のようにコキ使われる自分の姿が容易に想像できて、菱沼は朝だというのに重い疲労感に襲われた。




***




軋む体を鼓舞し、つくしがやっとのことでベットを出たのは司が出勤して2時間後のことだった。
シャワーを浴び、岡村に手伝ってもらってクローゼットで身支度をし、ダイニングに降りてブランチを摂った。

その後、司の指示で訪ねてきた黒人の女医の診察を受け、異常なしとのお墨付きをもらい(司に絞められたとは伝えなかった。ここアメリカでそんなことを言えば司と言えども妻へのDVで起訴されてしまう。日本で暴漢に襲われたが犯人は捕まったとだけ伝えた。)、今はリビングで眼下の景色を堪能しながらアフターヌーンティーを楽しんでいた。

しかし部屋にはつくし以外は森川と岡村しかおらず、いつもは邸に勤務する人々の存在が活気のようなものをつくしに運んでくれているが、ここにはそれもない。
気を利かせて岡村がオーディオからクラシック音楽を流してくれているが、それでもペントハウスの静けさを消すことはできなかった。

司はいつごろ帰ってくるんだろう。
晩ご飯も一人なんだろうか。
と、そぞろ物思いに耽っていて、ふと健太の顔が浮かんだ。


「あの、森川さん、」

「はい。」


リビングからキッチンに通じる部屋の端に控えていた森川が進み出た。


「藤村さんが鹿児島に移籍になったと聞いたのですが、それは撤回できないんですよね?」


これには森川も、そして岡村もギョッとした。


「できないでしょうね。旦那様が了承されないでしょうし、それにこれ以上その話題を出すのは…賢明とは言えませんね。」

「そうですか、無理ですか…。」


つくしが純粋に友達の身を案じているのはわかる。
しかし司の前で藤村を案じている姿を見せればどうなるのか、森川も岡村も考えただけで竦み上がった。


「奥様、ご心配には及びません。鹿児島は藤村の妻の地元なんだそうで、両親もそちらに在住しているとか。」


カップに口をつけていたつくしは、パッと顔を上げた。


「えっ!? 奥さんの地元?」

「はい。今回、遠山がそういうことも勘案して鹿児島をご提案したようです。ただの左遷ではなく、あちらでは凱旋、という形になっております。」

「凱旋…そう、それはよかった。」

「ただし、このこと旦那様はご存知ありません。くれぐれもお耳に入れないようにしてください。というか、旦那様の前で他の男性の話はお控えいただく方がよろしいかと。」

「え? なぜ?」


つくしの首の傾げ方から本気でわかっていないというのが伝わってきて森川はため息をつき、それを見ていた岡村はクスクスと笑いを漏らした。


「奥様、旦那様は奥様を大切に想ってらっしゃるのですわ。それに今回、誤解だったとしても旦那様は傷ついたんです。しばらくは安心させておいて差し上げたほうがよろしいかと思います。」


傷ついた…
正直、つくしにしてみればとんだ勘違いで被害を被ったわけだが、そう言われてしまえば何も反論できない。
人が何で傷つくかはその人の勝手だからだ。


「わかりました。この話はこれで終わりにします。でもいつか、藤村さんにはお詫びしたいと思っています。」


この言葉で森川は確信した。
我が主人はきっとずーっと安心などできないだろうと。








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2020.06.29




菱沼の読み通り、もともとタイトだった司のスケジュールが縮まることはなく、司が帰宅したのは23時をとうに回った時刻だった。
時差ボケまではいかないが、さすがに疲労の濃さは隠せない。


「おかえりなさい!」


それでも起きて待っていたつくしが森川や岡村と共に笑顔で出迎えてくれれば疲れなど吹き飛んだ。


「ああ、ただいま。」


帰ってすぐに妻を抱きしめる。
これ以上の至福があろうか。


「ちょっと、人前だよ。離してって。」


照れて逃げようとするつくしの肩を抱いてリビングに向かう。


「人前って、森川たちしかいねぇじゃん。」

「その森川さんたちの前だって言ってるの。」


交際期間もなく、夫婦らしく暮らしたこともないつくしは、使用人といえども人前でのスキンシップを羞恥心が邪魔をして素直に受け入れられない。
対して使用人は空気のような存在として生きてきた司には、つくしが彼らを気にする気持ちがわからなかった。


「あ、司、先に手洗い、うがいをして。」

「はぁ?」

「外から帰ってきたら手洗い、うがい。これ社会人としての基本だから。」

「聞いたことねぇ。」


と、司は森川に振り向いた。
森川は奥様に従ってください、という視線を寄越した。


「チッ、どうせすぐにシャワー浴びるのに面倒くせ。」

「いいから、ほら!」


つくしはリビング手前のパウダールームの扉を開けた。
そこにはハンドウォッシュとうがい用のグラスが置かれていた。


「旦那様、これが結婚というものです。」


森川の言葉に、司は渋々従った。








「旦那様、それでは私どもはここで。おやすみなさいませ。」


2階の寝室の入り口で森川と岡村はそう言って礼をした。


「は? 俺の着替えは?」

「それは大丈夫! 昼間、森川さんから教えてもらったから。お二人、お疲れ様でした。ゆっくり休んでくださいね。」

「はい、奥様、ありがとうございます。明日は朝8時半に迎えが参りますので。」

「わかりました。」


つくしが笑顔で階段を降りていく二人を見送った。


「お前が森川の代理をするのか?」


寝室に入りながら司は機嫌の良い妻に問いかけた。


「うん、そう。クローゼットが寝室の中にあるでしょ? 森川さんが、今回はあたしが同行してるから自分はあまり入らない方がいいんじゃないかって仰って。それでいろいろ教えてもらったの。ほら、上着脱いで。」

「そんな、使用人のマネなんてしなくていいじゃねぇか。」

「失礼ね。使用人のマネじゃなくて、「本物の夫婦」ごっこよ。」


つくしは司に手渡されたジャケットを森川に教わった通り、ランドリースペースに掛けた。
ここに収納されたものは翌日、ランドリーやクリーニングに回されることになっている。


「本物の夫婦『ごっこ』?」

「そう。日本では味わえない、一般人の夫婦みたいに過ごすこと。ずっとじゃないし、全部じゃないから『ごっこ』。」


この言葉が司は腑に落ちない。

『ごっこ』ってなんだよ。
まるで俺たちは本物の夫婦じゃないみたいじゃん。

しかしそんな違和感も、つくしの一言で消え失せる。


「さあ、シャワー浴びてきて!」

「お前もまだだろ? 一緒に入ろうぜ。」

「えっ、いいよ、あたしはゲストルームで浴びるから。ちょっ、やだっ! やだやだっ」

「なんか前にもこんなことあったよな。ハハハッ。」


いくら抵抗しようとも、司がその気になれば結局は拉致され、剥かれ、翻弄されるのがつくしの宿命だった。






バスルームで繋がり、ベッドに入って繋がる。
不安が消え去り、心の重石の取れたつくしは素直に快楽に身を任せるようになり、以前の強張りが嘘のように潤い、司に身を委ねた。
そんな乱れるつくしが愛しくて仕方がない司は、なかなかつくしを放せない。


「つ…かさ、明日も早いんだよ? もう寝ないと…あっ、やっ!」

「グチャグチャに濡らして俺を欲しがってんのはお前だろ?」

「そんな、あっ…ンンッ! 司がやめてくれないから…あ…あ…」

「今夜はこれで最後にする…つくし」

「はっ…ぁ…つかさっ」


つくしの潤いが増すごとに、司の快感も深くなる。
そうして深みにハマって抜け出せなくなっているのは司の方だった。




***




渡らずとも会えて、抱けて、そのまま眠れる。


「司、起きて。司。」


そして朝は愛する女に起こされて1日が始まる。

これが結婚か
これが幸せか

声がする方に腕を伸ばすが、それは冷たいシーツを撫でるばかりで、目的の温かい体は捉えられない。
そのうちに、右から聞こえた声が左に移動し、今度はすぐ耳許で司を呼ぶ鈴のような声が聞こえた。


「司、朝だよ。一緒に朝ごはん、食べよ?」


だから司はまた声のするほうに腕を伸ばし、柔らかな体を巻き込むように引き寄せた。


「ちょっと! 寝ぼけてないで、起きなさい!」

「寝ぼけてねぇよ。」

「だったら、離して! 服がシワになっちゃう。」


司がうっすらと目を開けると、ベッドに引き摺り込んだ妻はすでに身支度を整えていた。
今日はタートルネックのノースリーブコットンニットにAラインのスカート姿だ。
つくしの首の痣は消えるまで1週間と診断が下っており、そこに司に刻まれたキスマークが加わって、首を隠すアイテムが必要だった。


「ンだよ、つまんねー。一緒にシャワー浴びようかと思ったのに。」

「そんなわけないでしょ。さ、早く起きてバスルーム入って!」

「キスしてくれたら。」


つくしが腕の中で身をよじるが、この檻から出られるはずもない。


「司って、そんな甘えるタイプだったんだ。新発見。」

「何言ってんだよ。むしろお前は俺のことなんてまだまだ何も知らないぞ。」


笑っていたつくしの表情がスッと真顔になった。


「そうかもしれないね。だって、夜しか会わないもんね。」


その言葉に咄嗟に返事ができずに詰まっていると、ほっそりとした指先が司の頬をスッと撫でた。


「ホントだ、また発見。司も朝になったら髭が伸びるんだね。」


さっきの顔は見間違いかと思うほど、つくしの表情はまたクスクスと笑いを漏らす笑顔になっていた。


「で、キスは?」

「え!? 本気?」

「当たり前だろ。ほら。」


そう拗ねたように尖らせた唇を外し、その端につくしはチュッと口付け司の腕から逃れた。


「さ、約束だよ。起きてね。」

「ケチ」


ベッドを離れ、クローゼットに入ろうとしたつくしはドアの前で立ち止まり、やっとベッドの上で起き上がった司を振り向いた。


「司だってあたしのこと、まだ何にも知らないよ。きっとね。」


そう意味深な言葉だけを残して、つくしは入って行った。


「そうかもな…」


司は、わだかまりの溶けた今、やっと自分たち二人がスタートラインに立ったような気がしていた。
道明寺家の氏神の前で行った契りは、あの時点では単なる形骸的なものでしかなく、カタチだけでは本物の夫婦にはなれないと学んだ数ヶ月だった。
しかし今はお互いが同じ温度で求め合い、満たし合っていると実感できた。
これが夫婦だ、そしてこれからはもっともっとその関係を深めていけばいい。
そんな思いに司は充足感を覚えた。








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2020.06.30
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